家賃保証会社会議 その1

2023年1月23日 お知らせ, お部屋をお探しの方, 不動産をご購入の方, 不動産オーナーの方

 先日、家賃債務保証会社(いえらぶ安心保証、全保連、エルズサポート、JIDほか)など、いわゆる『保証会社』の業界の取り組みや課題についての会議がありましたので、報告します。
 時代の変化や民法改正もあり、賃貸住宅業界の都市部では“連帯保証人”の利用は少なくなってきており、保証会社の利用は拡大していると思います。建物だけでなく、駐車場の契約にも利用が広がっています。また不動産だけでなく、入院する際の連帯保証人も、高齢化社会においては困難になってきており、医療業界にも保証会社の必要性は増してきているとのことです。
 このような『家賃債務保証会社』ですが、利用者からは様々な相談が寄せられているそうです。利用者の相談で最も多いのが、『なぜ審査に落ちたのか』です。審査内容については非開示という前提のため、決して明らかにはなりません。そのため、滞納を繰り返している悪質な入居者は、審査に落ちてしまうため、『管理会社を入れないで、家主と直接契約したい』とアパートをもっているオーナーに近づき、直接借りたいと言いますので、ご注意ください。実際に、管理会社を通さずに賃貸し、直後に滞納しトラブルになったケースがあります。
 他には、『振込忘れ、記入ミスで初回引落失敗し、滞納扱いになり督促手数料や遅延損害金がかかるのはおかしい』。これは、督促手数料、遅延損害金など会社により名称は異なりますが、滞納(未納)が生じた際に、生じる費用です。しかし、保証料とは別に滞納発生時に請求する会社もあれば、保証料に一定額を含めた会社もあるので、様々です。このような滞納時に発生する懲罰的な費用については、滞納の抑止効果があるとする見方もあります。一方で、経済的に苦境な状況にある利用者に対し、更なる負担を生じさせ、雪だるま式悪循環に陥る可能性があるため、見直しが必要な点という見方もできるそうです。
 『滞納しているが、そもそも保証の契約や重説はうけてない』『口調が強い、威嚇的だ』『監督官庁はどこか』など、敵対的な苦情もあるそうです。滞納者に対する督促業務の困難さを表しているものといえそうです。
 他には『滞納分の支払は分割できないのか』『家主(管理会社)変更により保証会社変更の要請があったが、初回保証料が賃借人負担はおかしい』『来月退去するのに継続保証料を満額支払うのはおかしい』『保証会社を利用したいが、家主が管理会社を使っていないので利用できない』などの仕組みに関する相談があるそうです。
 家賃保証会社の業界の歴史は未だ浅く、未だ広く世間一般に認知されておらず、会社ごとに取り組みも異なるため、業界では自主ルールを策定するなどし、業務運営の適正化を図っているとのことです。

Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像