サードプレイスと賃貸不動産

2023年7月10日 お知らせ, お部屋をお探しの方, 不動産をご購入の方, 不動産オーナーの方

 サードプレイスとは、賃貸不動産において住宅以外の第三の場所として利用される施設やスペースのことを指します。最近の分譲マンションなどでは、シアタールームをはじめ、ゲストルーム、コンビニ、洗車場、BBQ場など、さまざまな共用施設を有しているところもあります。シニア向けマンションでは温泉施設などもついているマンションがあります。
 
 一般的な賃貸不動産は、住居としての機能が主であり、居住者の生活空間として利用されます。しかし、最近では仕事や交流の場としての需要も高まっており、サードプレイスの重要性が注目されています。これまでの共用スペースの利用方法としては、自動販売機や宅配ボックス、物置などを設置するものでした。

 共有スペースをサードプレイスとしての価値を最大限に引き出すことで、物件の魅力を向上させることができます。例えば、共用スペースにイスやソファなどを置いて、ちょっとした打合せや談笑ができるカフェ的な応接セットを設けることで、居住者が交流しやすくなります。また子供やペット向けの開放スペースを作ることで、居住者が得る生活の質が高まることによって、満足度が得られることにより、居住者と賃貸不動産の結び付きがより深くなります。

 サードプレイスの提供により、賃貸不動産の付加価値が高まります。魅力的なサードプレイスを備えた物件は、他物件と差別化できる魅力を有しているため、募集の際には入居希望者にとってより魅力的な選択肢となります。また、サードプレイスを通じてコミュニティの形成が進み、居住者同士のつながりが生まれることも期待できます。これにより、物件の入居率向上やテナントの満足度向上(テナントリテンション)に繋がります。

 共用スペースの価値を高める方法は、どうしてもコストがかかることが懸念されるかと思いますが、居住期間を延ばすことや、入退去を減らすことができれば、入れ替え時に生じるコストやリフォーム費用などを減じることもできるため長期的なメリットを考慮する必要があると思われます。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像