冬の火災を防ぐための初期消火と避難のポイント

2025年12月21日 お知らせ, お部屋をお探しの方, 不動産をご購入の方, 不動産オーナーの方

冬は空気が乾燥し、暖房器具や電気機器の使用が増えることで火災のリスクが高まります。ストーブやヒーターの近くに可燃物を置かない、コンセントや配線の点検、ホコリの掃除、換気の徹底が基本的な予防策です。

 家庭で使える初期消火用具には、粉末消火器、中性強化液消火器、スプレー式簡易消火具、投げ込み式消火材があります。粉末消火器は紙・木・油・電気火災に対応する万能型、中性強化液は油火災に強く掃除が簡単、スプレー式は小さな火やキッチン向け、投げ込み式は袋やカップを火元に投げ入れるだけで消火できるため、高齢者や子どもでも扱いやすいのが特徴です。家庭ではこれらを組み合わせて備えておくと安心です。

 しかし、実際に火災が天井まで達したり、黒煙が出ている場合は、初期消火では対応できません。炎が天井に届く火は急速燃焼期に入っており、消火器や投げ込み式消火材では火の広がりに追いつけません。また、輻射熱で火傷する危険や、一酸化炭素など有毒ガスによる意識喪失の危険もあります。天井付近で火が回ると部屋全体に一気に広がるため、消火よりも速やかに避難し119番通報することが最優先です。

 消火器や投げ込み式消火材は、火元の近くでありながら避難経路側に置くのが安全です。消火器を選ぶ際は、用途、薬剤量、能力、消火後の掃除のしやすさ、安全性を考慮しましょう。中性強化液消火器は消火材が散らからず、人体や家具にやさしく、家庭用に適しています。
 
 冬の火災は予防と初期消火の両立で被害を最小限に抑えられます。天井まで炎が達した場合や黒煙が出ている場合には消火を試みず避難を最優先にすることが命を守るポイントです。

András FehérによるPixabayからの画像